日別アーカイブ: 2015年2月26日

海うそ


■海うそ 梨木香歩/著 岩波書店/発行

昭和の初め、人文地理学の研究者、秋野がやって来た南九州のとある島。島を自らの足で歩き、地名、暮らし、住まいなど、その島独自の文化を調べていく。平家落人伝説や、不思議な霊にまつわる話。南の島に漂うミステリアスな風土に酔いしれていく。・・・時は50年が過ぎる。そこには開発で無残に失われていく島の現実があった。

梨木さんのファンタジーな世界が、さらに研ぎ澄まされていった印象。ワタシとしては夢見る少女のような昔の作品も大好きなので、この洗練させた世界がちょっと寂しいような気もしますが・・・。

梨木さん自身もまるで、人文地理学の研究者のように、深く広くお勉強されているようで、だからこそ生まれる言葉の奥深さ、美しさを堪能することができました。
いい時間をありがとうございました。